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【CC-Link】三菱CC-Linkの仕組み、ケーブル、リモートIOや通信について

低圧・制御・FA
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CC-Linkについて

CC-Link三菱電機株式会社によって1996年に開発されたフィールドネットワークのことを指します。普及推進団体としてCC-Link協会(CLPA:CC-Link Partner Association)により2000年に仕様が公開され、現在に至ります。

センサ、アクチュエータ、表示器、インバータなど三菱電機製のFA機器はもちろん、CC-Linkファミリ接続製品とも互換性があり、様々なメーカーの製品が対応しています。国内においてはかなりの計装機器や電子機器がCC-Linkに対応したオプションを、各メーカーが用意しています。

CC-Linkは機器同士をRS-485二線式をベースにした専用配線で接続し、ネットワークを構築します。

※RS-485などシリアル通信については以下を参照してください。

【シリアル通信】RS-232C、RS-485のケーブルや通信仕様について ~終端抵抗とは?~
RS-232C、RS-422、RS-485(シリアル通信)の概要 RS-232C、RS-422、RS-485は、化学プラントやFA製造現場などでよく使用される「シリアル通信による通信方式」を指します。 またシリアル通信とは、データを1bit...

イメージとしては以下のようなイラストの構成になります。

CC-Linkについて

通常のRS-485配線と同様に、配線の両端には終端抵抗を接続する必要があります。またマルチドロップ配線となるため、一筆書きのように専用ケーブルを敷設することになります。

PLCとPLC間を繋いだり、PLC~現場機器を接続したりなど自由度の高い設計が可能です。ただし当然ながら接続機器はCC-Linkに対応したオプションを積んでいる必要があり、PLC側もCC-Link通信ユニットを装着していなければなりません。

接続した機器とは、サイクリック伝送とトランジェント伝送と呼ばれる二通りの方法で通信を行いますが、今回このあたりは割愛します。

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CC-Linkの配線

前述した構成ですが、実際に詳細な配線図を見てみましょう。

CC-Linkの配線について

CC-LinkはRS-485をベースにしているため、基本的には二本の線(DA、DB端子)を使用して信号を送ります。その他の端子はシールドやグランド用途です。

配線は専用のツイストペアケーブルが推奨で、両端には110Ωの終端抵抗が必要になります。(ちなみにCVVケーブルなどでテスト環境を作った事がありますが、それでも問題なくデータリンクは行えました。実環境ではルールを遵守すべきですが、テストでは通常の電線を用いるのもアリかもしれません)

構築したネットワークは、通信速度を最低値の156kbpsまで落とした場合1200mまで延長することが可能です。幹線ケーブルを光ケーブルに変換するT分岐リピータを使用した場合、同じく156kbpsで13.2kmまで延長が可能です。

ちなみにあまり考慮する必要はないかもしれませんが、各ユニット間は最低でもケーブル長20㎝確保するように取説などでは明示されています。

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CC-Linkの機能について

CC-Linkは様々な製造設備やプロセスに適用できる上、異常発生時などの安全機能がいくつか存在します。大きく三つをここでは述べていきます。

①待機マスタ局

CC-Linkでは全体の管理を行うマスタ局を設けますが、これに異常が出た場合、ローカル局と呼ばれる別のPLCに機能を引き継ぐことが可能です。これを待機マスタ局と言います。

マスタ局が故障してしまうと全体のデータリンクが停止し、設備全体がストップします。ですが待機マスタ局機能が働くことで、正常局同士のリンクを維持し、異常を最小限にすることが可能です。

CC-Link 待機マスタ局について

②自動解列

マスタ局以外の局(子局)で異常が発生した場合、瞬時にその異常局を切り離す機能をCC-Linkは備えています。

これは③自動複列機能とも関係します。

CC-Link 自動解列について

③自動複列

②自動解列と繋がってきますが、異常が発生している子局が回復した場合、自動的にデータリンクを再開する機能になります。

CC-Linkの端子台は2ピース端子台といって配線を触らず端子台ごとをユニットから取り外せます。そのため、正常局のデータリンクに支障を与えず、異常局を交換することが可能です。

よって交換が完了し端子台を装着すれば、自動複列機能によって自動的にデータリンクは再開します。

CC-Link 自動復帰について

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CC-Linkの設計上のメリット

ここからは私見も交えながら、CC-Linkのメリットについて述べていきます。CC-Linkは主に三つの点で設計・運用上の利点があります。

以下にイラストにまとめてみました。

CC-Linkの設計上の優位点

①省配線

CC-Linkによってマルチドロップ配線を行えば、機器に直接CVVケーブルなどを配線するのに比べ、省配線化になります。また端子台(PLC側の入出力点数)を節約することも出来ます。

一度ネットワークを構築すれば、後から接続機器から情報を追加で収集することも可能です。余計な追加工事等がなくなるとも言えます。

②簡便なネットワークの構築

CC-LinkはPLC間の通信にも使用できますが、個人的には余計なPLCを削減するために使えます。(PLC間の通信はCC-Link IE、MELSECNETの方が便利かと思います)

例えば現場に簡易な操作盤や監視盤などが必要な場合、PLCを配置するよりもリモートIOユニットやリモートアナログユニットを設置する方がコストが抑えられます。信号授受用のラダーなども不要になるため、ソフト設計の工数を削減することも可能です。

リモート局は「離れた場所に存在する入出力ユニット」のような扱いですので、かなり簡単に構築が可能です。

③ソフト設計・デバックの簡便化

マスタ局のPLCに設備全体を制御を任せれば、GX Worksなどのソフトで監視やデバックする際も、一台のPLCに接続すれば良いためかなり楽になります。

PLCが何台にもまたがる設備だと全体の動きを把握しづらいですが、CC-LinkでPLC一台に制御を集中して行わせれば、管理は楽になります。

ただしPLCを複数使用する分散制御の方が良い場合もあるため、これについてはプロセスや製造設備によって検討が必要です。

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まとめ

  • CC-LinkはRS485ベースの通信方式である。
  • 異常発生時において継続運用を可能とする機能がある。
  • CC-Linkによって簡便なネットワーク構築が可能。
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参考文献・サイト

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