【計装】調節計について

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概要

調節計とは温度・圧力・流量などの物理量やプロセス量(測定値)を目標値(設定値)と比較し、一致させるように制御を行う機器のことです。

デジタル指示調節計とも呼ばれ、工場やプラントなどで幅広く使用されています。

分かりやすく表したものが、下記イラストです。

調節計の構成と働きについて

入力側には測温抵抗体などの温度情報、圧力発信器などの計装機器からの4~20mA信号などが入力されます。

そしてあらかじめ設定しておいた数値(設定値)と入力された現在値を比較し、その差分を調節弁などへと出力(これも4~20mAが多い)されます。

調節計の機能

調節計についての概略は述べましたが、再度詳しく代表的な機能を挙げていきましょう。

入力機能

調節計は先に述べたように、プロセス量を様々な機器から信号として受け入れます。

ちなみに入力値のことをPV(Process Variable)と呼称することがあります。また設定値のことをSP(Setting Variable)と言います。

入力の例

  • 熱電対:ゼーベック効果を利用した異種金属間の起電力による温度測定
  • 測温抵抗体:金属の電気抵抗が温度によって変化する特性を利用した温度測定
  • 計装機器からの信号:直流電流(4~20mAなど)、直流電圧(1~5Vなど)

azbil、横河など多様なメーカーが販売していますが、入力種類についてはどのメーカーも基本的に大差ありません。一台で多くの入力に対応しています。

また計装機器については下の記事をご参考ください。

【計装】計装回路について
概要 プラントや工場では流量・圧力・温度などの様々な物理量を計測し、管理しています。 水や油、蒸気、その他化学薬品など測定対象物は様々です。 しかし多くの場合イラストのように、流量計や圧力計など計装機器の測定した値は、制御盤へ...

出力機能

調節計は「入力信号と設定値の差を無くす」ために出力信号を出しますが、制御機器はプロセスにより異なるため、購入時に仕様を決定する必要があります。

出力点数もモノによっては三点ほど必要になる場合があるため、確認は必須です。(例えば加熱冷却制御用で出力を二点、記録計やPLCへのPV入力用の出力が一点、など計三点)

制御出力は操作量ということでMV(Manipulated Variable)と呼ばれます。

出力の例

  • 電流出力:4~20mA、0~20mA電流出力など(もっとも一般的)
  • 電圧出力:1~5V、0~5V、0~10Vなど(盤内においては利用しやすい)
  • リレー接点:ヒーターのようなON/OFFする制御に用いる

調節弁(コントロールバルブ)の開度を直接制御したり、インバータなどに出力してポンプやファンの回転数・吐出圧力を制御することも可能です。

イベント出力(接点出力)

調節計にはSP値とは別に、設定した数値で本体の接点をON・OFFさせる機能があります。それがイベント(EV)出力機能です。

例えば温度制御をしている場合、PV値が70℃以上でEV接点をONするように組めば、その接点を利用して警報ブザーを鳴らしたり、何らかの動作へと利用することが可能となります。

さらに設定値付近でON・OFFの動作を繰り返すことをチャタリングと言いますが、これを防ぐヒステリシス機能という「EV接点解除を設定値の数%以上or以下」とする機能も標準装備しています。

警報出力・ブザー出力などの安全設計には、欠かせない機能なんですね。

外部入力

調節計は逆に接点信号を入力することで、内部の設定を変える事が可能です。

例えば入力1がON(導通)すれば、設定1の条件で制御を行う。入力2がON(導通)すれば、設定2の条件で制御を行う、などです。

この機能をセレクトスイッチなどと組み合わせれば、調節計の操作に疎いオペレーターでも簡単に設定を変更することが可能になります。

複数の品種や商品、液体などを扱うプロセスの場合は、それぞれに合致した条件で設定を用意することで、より安全な生産活動を行う事ができますね。

 

以上いろいろと書き連ねましたが、他にもたくさんの機能が搭載されているため、是非メーカーのHPをご覧になってください。

調節計のモデル例

さて実際の制御例をみれば、更に理解が進むことと思います。

今回はプラントでは頻出である「加熱冷却制御」の例を見てみましょう。

これは一定温度の温水を製造するために、水(市水や工業用水)とボイラーで作った蒸気を混ぜ合わせるという制御になります。

この制御には調節弁を二台、そして出口側に温度計(測温抵抗体)を一台備え、これらを調節計に接続しています。

調節計の制御モデル例について

まず調節計は、測温抵抗体からのPV値(60℃)SP値(80℃)に隔たりがあることを認識します。

これを解消するために調節計は、蒸気と冷水の調節弁へとそれぞれ開信号を送り、差分を上手く埋めるだけの量を供給します。この場合だと、温度を上げるために多少蒸気が多めに入ると思われます。

一気に蒸気を投入すれば設定値を大幅に超えるかもしれないため、調節計はオーバーシュート(設定を大幅に過ぎること)を懸念して丁度良い塩梅にしてくれるんですね。

このように調節計は「自動で設定値になるようプロセスをコントロールする」制御機器なんですね。

ちなみにこういった設定値への制御方法にPID制御というものがあるのですが、ここでは割愛します。

(今後記事にすれば追記します)

まとめ

  • 調節計は温度・圧力・流量などの物理量やプロセス量(測定値)を目標値(設定値)を比較し、一致させるように制御を行う機器である。
  • 調節計は入力、出力、イベント出力、外部入力など幅広い機能がある。

参考文献・サイト

  • OMRON『温度調節器(デジタル調節計) 概要』https://www.fa.omron.co.jp/guide/technicalguide/53/103/index.html
  • 川村貞夫/石川洋次郎『工業計測と制御の基礎―メーカーの技術者が書いたやさしく計装がわかる 工業計測と制御の基礎  第6版』工業技術社,2016年

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