概要
パワーサプライとは商用電源(例えばAC100V、AC200V)を安定した直流電圧(DC24Vなど)に変換する装置です。
パソコンなどのOA機器を筆頭に電子回路を積んだ機器は、半導体部品を使用するため交流を直流へと変換する必要があります。
これはFA機器においても同様で、近年の機器はトランジスタなどの半導体接点を入出力インターフェースとして使用している機器も多く、単純な電源として以上に直流は使用されています。
例を挙げるとPLCの入出力はトランジスタ入出力が多く採用されており、これに付随するようにインバータなどの盤内動力機器も、DC24Vなど直流回路で接点の授受を行うことも珍しくありません。
流量計やセンサなどは電源と接点出力をDC24Vで同時に賄うなど、省配線化にも貢献しており、そのため直流電源であるパワーサプライはかなり重要な装置と言えます。
パワーサプライの特徴
近年のパワーサプライはスイッチング・レギュレータ方式と呼ばれる構造が一般的となっています。(トランス方式と呼ばれる方法もあるが、主流は前者)
これは商用電源を入力後、FETなどに代表される半導体接点によって高速でON/OFF(スイッチング)を繰り返し、高周波電力へと変換することで所定の電流を得ます。
簡単ではありますが、以下がメリット・デメリットになります。
メリット
- 高効率(トランス方式と比べ)
- 小型、軽量
- 入力電圧範囲が広い(AC100~240Vなど)
デメリット
- 高周波スイッチングによりノイズを発生
- 一次側の突入電流が大きい
過電流保護や故障出力機能、出力電圧調整トリマという出力電圧をその場で調整できる機能(テスターを当てながら、ツマミを回して調整)を搭載しているモデルもあります。
また近年はLANケーブル接続(Ethernet接続)により故障検知や予防保全が可能モデルもあり、より直流電源の安定供給に貢献できるようになっています。
直流電圧(DC24V)のメリット
交流(AC100V、AC200V)の直接使用からDC24Vなどの直流電源利用にすることは、ユーザーにとってもメリットがあります。
ここでは大きく二つを説明します。
①機器内蔵コンバータ装置が不要
電子回路(半導体)を積んでいる機器は、必ず直流電源が必要となります。
そこでユーザー側から直流電源を直接供給すれば、交流⇒直流へと変換するコンバータ装置を機器側が搭載する必要がありません。
こうするとコンバータ装置がない分、機器が故障するリスクが低減され、また機器本体の小型化が可能となります。
②42V(死にボルト)以下であるため比較的安全
電気屋の間で「42Vは死にボルト」という言葉があります。
これは例え100V以下の低圧であっても、感電死に至る危険を内包している(例えば手が濡れていたり、導体に常時触れている時)ということを意味示しています。
42Vというのは語呂合わせな部分があるため、この電圧以下であれば必ず安全というわけではありませんが、100Vや200Vに比べると感電死する危険が低くなるのは間違いありません。
危険作業をしない事がもちろん前提ですが、低電圧であればより電気作業者やオペレーターが安全に業務に従事できるということになります。
まとめ
- パワーサプライは交流から直流を作り出す装置である。
- 近年の機器は直流電源駆動、直流回路を利用するモノが多い。
- 低圧直流電圧の利用はメリットが多い。
参考文献・サイト
- OMRON『パワーサプライ 概要』 https://www.fa.omron.co.jp/guide/technicalguide/22/140/index.html
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