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【超音波式流量計】原理、メリット・デメリットについて

計装
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概要

超音波式流量計とは、管内の液体中に超音波を伝搬させ、その伝搬時間の差から流量を計測する流量計です。

イラストのように流体の流れ方向に対し、斜め方向に超音波を発生させることでこれが叶います。

超音波式流量計の測定原理について

通常は配管の両側に検出器を設けるタイプが多いのですが、イラストのモデルであるキーエンスのクランプオン式流量計の場合は、配管で反射した超音波をそのまま片側の検出器で測定します。

従来から超音波式流量計は、流体の圧力損失がないこと、機械駆動部がないなどといったメリットがあり、また大口径にしてもその検出原理の単純さから、低コスト化が可能です。

またクランプオン式と呼ばれる方式だと、液体と直接接液しないことから、不純物の混入を防いだり、配管を切断するなどの工事作業が不要となります。

以上、数多くのメリットを多く持つ超音波式流量計について、次項で詳しく述べていきます。

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超音波式流量計の原理

超音波式流量計にはいくつか方式がありますが、現在製造現場で中心となっているのは伝搬時間差方式と呼ばれるモノです。

下のイラストを見ながら、原理について見ていきましょう。

超音波式流量計の構成と動作原理について

先述した通り、超音波式流量計は超音波を流体の流れに対し斜め方向に伝搬させます。

管内に流体が流れていない場合は、ただ単に超音波が二つの検出器の間を伝搬するだけです。

しかし液体の流れが超音波と同方向の場合、超音波は流体から追い風を受けるような形で速度が増加し、結果的に検出器への到達時間が短くなります。

逆に液体の流れと超音波が逆方向であれば、向かい風となって超音波が検出器へ到達する時間は長くなります。

超音波が検出器に到達する時間の変化は、このように液体の流れ方向と速度によって変わるため、この変化量から逆算して流速を算出するのです。

「船が川の流れに逆らって上流側へ進むより、下流側に向かって下る方が速度が大きくなる」というのと同じなんですね。

ちなみに超音波は電磁波などに比べると伝搬速度が遅いため、この特徴が顕著に現れます。超音波がこの方式に利用されるのはこれが理由です。

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超音波式流量計の特徴

超音波式流量計について原理を紹介しましたが、次はその特徴についてです。

超音波式流量計には以下のメリット、デメリットが存在します。

メリット

  1. 圧力損失がない(機械的駆動部がない)
  2. 管工事が不要なモデルがある(クランプオン式)

デメリット

  1. 固形物や気泡の影響を受けやすい
  2. 直管部が必要

以下のイラスト参照しながら、一つ一つ見ていきましょう。

超音波式流量計のメリットとデメリットについて

まずはメリットから述べていきます。

①圧力損失がない(機械的駆動部がない)

超音波式流量計は、流量計本体の中を超音波が伝搬するだけですので、圧力損失が発生しません。

渦流量計はカルマン渦を作るための円柱、容積式流量計では歯車、などの機構が流体の流れを阻害してしまいます。

こういった機構がない超音波式流量計は故障も少ないため、優位であると言えます。

②管工事が不要なモデルがある(クランプオン式)

クランプオン式と呼ばれる超音波式流量計では、配管の外から組み付けるだけで良いため、配管を切断するなどの工事作業が必要ありません。

また配管の外から超音波を伝搬させることから、接液しないため異物の混入などを防ぐことも同時に叶います。化学プラントや食品工場ではこれらの特性はメリットとなります。

 

メリットは以上で、次はデメリットになります。

①固形物や気泡の影響を受けやすい

超音波が流体中を伝搬する関係上、これを阻害する固形物や気泡は最大の敵と言えます。

流体の流速が速くなるとキャビテーション(流れ中の圧力差により短時間に泡の発生と消滅が起きる現象)が起こり、超音波の送受信が出来ずに計測不能となります。

これが発生する場合は、気液分離器(セパレータ)などによって気泡を除去を行うか、他の流量計を検討するなどが方策となります。

②直管部が必要

直管部とは「流体の流れを安定させるため、流量計の上流側と下流側に設けられた所定の長さの直管部分」を指します。

基本的に直管部の長さLは配管の直径Dを用いて、例えばL=5D(配管直径の5倍)という表現をします。

超音波式流量計はその原理上、流体が均一に安定して流れている必要があります。そのため直管部をその他の流量計よりも長くとならなければならないと考えてよいでしょう。

 

以上が超音波式流量計のメリット・デメリットになります。

そのほかレンジアビリティが大きい大口径モデルの製作が容易という点も挙げられるため、各メーカのカタログやHPを参照してみると、具体的な数値が分かり参考になると思います。

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まとめ

  • 超音波式流量計は、超音波の伝搬時間の差を用いて測定している。
  • 圧力損失がない、クランプオン式など便利なモデルがある。
  • 気泡固形物に弱く、直管部にも注意が必要である。
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参考文献・サイト

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コメント

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